うつ病(自律神経失調症)(不安神経症)の症例
【患者さん】
42歳 女性(主婦)
【主訢】
・1年前より子供の受験・PTAの役員等で多忙となり、肉体的、精神的な疲れが重なった。この頃から過換気(過呼吸発作)を発症。同時に頭痛・肩甲骨内側の疼き痛みを感じる様になった(痛み止めの坐薬でも治まらない程きつい)。
半年前より上記の症状に加え不安感がひどくなり、日常生活に支障をきたし入院。病院で5ヶ月間抗うつ剤・安定剤・睡眠導入剤の投与を受け治療。
現在退院して服薬しながら何とか過ごしているが、依然として不安感が酷く倦怠無力感・食欲不振・不眠・過呼吸・蟻走感などに苦しみ当院に来院する。
【診断】
・症状・生活環境・食生活・過族環境・発症までの経過・性格等できるだけ詳しくカウンセリングした結果、特に性格面で完全主義の傾向がある上に情に脆く、全部自分で背負い込み結果が悪いと自分の責任と自身を責める傾向にある事が分かった。今回はこの性格に加え、責任を感じるような事柄が続き多忙となり、ストレスから精神肉体両面のバランスが崩れ本症を発病したと診断。これに舌診、腹診、脉診、背候診、原穴診の各診断法を併せて分析した結果
・心脾両虚
・肝郁気滞
と診断
【治法・施術】
・臓腑のアンバランスを整えて、身体全体を楽にした後に、メンタル面の調整を行う。
【施術】 
・毎回、神門・足三里・百会・脾兪・胃兪の中から適宜1~2穴を選穴。
週3回のペースで治療し、1ヶ月ほどで大分症状が楽になってきた頃合を見て、メンタル面のアドバイスを行う。一人で背負い込まず肩の力を抜いて、人に頼れる所はお願いをし、例え結果が良くなくてもまず努力した自分を褒める習慣をつけること。悪いことを嘆く前に、少しでも良いことがあったら喜ぶようにすることをお勧めした。
現在は服薬もほとんどなく、日常生活も以前と同じようにこなせるようになった。ただ、精神疲労を起こしやすいので、週に一回調整のため通院している。
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